いこいのブログ

施設のブログ:デイサービスセンターいこい

2017/05/13

皆矢印↑ ②

以前お話しした矢印の取り組みから、色々な効果が出たお話をしたいと思います。

 

利用者様の気分を矢印で表すようになり、「今日の〇〇さんは↑、△△さんはかな~。」

と、判断する際に職員間で相談することが増え、その結果、

情報の共有にも自然と繋がりました。

 

「〇〇さん、昨日受診日だったから今日は疲れているみたい。」

「昨日、久しぶりに親戚とあった様子。」等の細かい情報が

矢印の判断材料に使われ、一人一人の来園時の状態が今まで以上に

理解できるようになりました。

 

矢印というわかりやすい表示も、現場で忙しく動いている職員にとっては

素早く情報を取り入れることができ、よかったと思います。

 

次に矢印が下がっている利用者様にどうアプローチをかけようかと

相談が始まりました。

 

「〇〇さんは将棋が好きなので将棋をしてみようか・・・。」

「△△さんは入浴目的で来ているが、他に何かできることはないか。」

「̻◇◇さんは他者との関係があまりうまくいっていないから、

せめて入浴だけでも気持ち良く入れるよう支援してみよう。」

というような感じです。

 

矢印の取り組みを始めた当初、利用者様のW様は矢印が下向きでした。

「毎回、矢印が↓なので、入浴でアプローチをかけよう。

矢印を上に向けよう。」

この言葉だけで職員は個々に動き出します。

お風呂の順番や、一緒に入る利用者様等の変更、入浴後のデイルームまでの誘導の仕方の変更

を行い、結果、矢印はいつの間にか上に向いていました。

W様からも「お風呂もゆっくり入れてうれしい。極楽じゃ。」と

いう言葉が聞けるようになりました。

 

矢印の取り組みをするようになり、その日の利用者様一人一人の

「言葉には出ない気持ち」

まで考えるようになり、そこの気持ちをよい状態に持っていこうと

考えるようになりました。

 

また、利用者様の下に向いている矢印を上に向けた時の達成感や、うれしさを

職員間で共有することができました。

職員皆が一つの目標に向かい、進み、目標を達成したときに同じように分かち合えることで

チームとしてまとまっていったように思います。

 

こんな簡単な取り組みが、こんな大きな効果をもたらすとは思いもよりませんでした。

矢印の取り組みは始まったばかりで、まだまだ改善点がたくさんあります。

今後も取り組みは続けていき、利用者様の矢印が当たり前のように

↑(上に)に向くように頑張っていきたいと思います。

キャプチャ1